日本の商業捕鯨再開と持続可能な水産資源の確保について

<商業捕鯨モラトリアムについて>
1982年にIWC(※1)は、いわゆる商業捕鯨モラトリアム(※2)を採択しました。同時に遅くとも、1990年までに鯨資源を包括的に評価し、モラトリアムを見直すことが、付帯条件として決定されました。これに伴い日本は1987年漁期を最後に大型鯨類に対する商業捕鯨が一時的に停止されることとなりました。包括的評価により、IWCは少なくとも南極海ミンククジラは76万頭以上、オホーツク海・北西太平洋系のミンククジラは2万5千頭以上存在することを合意する一方で、改訂管理方式(RverceManegimentProsedure:RMP)を開発し、1994年のIWC総会においてRMPを鯨類資源管理措置とすることに合意しました。しかしながら、その後、保護のみを重視し、持続的利用を認めようとしない国々からの歩み寄りは見られず、モラトリアムの撤廃は実現しませんでした。2018年のIWC総会において鯨及び捕鯨に対する異なる意見や余地が無いことが明確になったことから、日本は2019年に6月30日を以てIWCより脱退しました。

(※1/IWC=国際捕鯨委員会 ※2/モラトリアム=一時停止)



<再開後の捕鯨状況>
日本は2019年7月1日より北西太平洋で3種(ニタリクジラ、イワシクジラ、ミンククジラ)に対する商業捕鯨を再開しました。再開に当たってはIWCが開発し、100年捕獲を継続しても資源に悪影響を与えないと認めた極めて保守的なRMPに沿って、多数のシミュレーションを通じて算出した捕獲可能量に基づき、捕鯨を行っています。

<商業捕鯨の復活>
2019年~2021年の捕獲可量は定置網による過去5年間の平均混獲数を(19年はさらに調査捕鯨の捕獲頭数を差し引いた数)差し引いた頭数が設定されています。それに基づき、2021にはニタリクジラが187頭、イワシクジラが25頭、ミンククジラが91頭捕獲されました。

<持続可能な鯨類水産資源および他の水産資源の確保について>
クジラを含む水産資源は再生可能な資源であり、資源の維持に必要な量を上回る余剰量を人が利用しても減らすことはありません。クジラについても、適正な量であれば、持続的な資源管理が可能です。捕鯨を行うことでサンマやサケなどの近年減少傾向にある貴重な水産資源の保全につながり、ひいては海洋生態系のバランス維持と持続可能な水産資源の確保につながります。


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