日本の商業捕鯨再開について
長崎のくじらは何故美味しいのか
鯨のまち、長崎であることをPRするこの、暖簾は、
長崎市内のあちこちの居酒屋さんの玄関先に飾ってあります。
実は長崎は、全国で一番、くじらを食べる地域。
くじらを余すことなく食べる日本の鯨食文化は世界でも類を見ない文化、
その中でも長崎が一番の消費率があるんです。ということは、世界一!?
でもその潜在的文化は今まであんまり知られてませんでした。
日野浩二:84歳、鯨とともに生きる人生を歩んできました。
長崎が裕福だったその昔の江戸時代は、長崎の五島列島、平戸、壱岐、対馬は
鯨の回遊が多い地域でした。
鯨は網取り式で、湾の中に追い込む方式で捕鯨をしていたので、
島の辺ぴなところがその地形に合ったんですね。
その当時の長崎のくじら組は500人規模の大企業で、それが35社ほどありました。
山口県では4社、高知では2社、和歌山県の太地でも2社ほどだったので、
当時の長崎の500人×35社=17,500人ほどが捕鯨の仕事をしていたわけです。
そして、平戸、生月、五島で捕獲された鯨は、船で彼杵港に水揚げされていたそう。
彼杵は当時、鯨の仕分け基地、流通センターでした。
鯨肉はそこから陸路、佐賀や福岡、大村、諌早、島原などに分配され
長崎は彼杵港の対岸の時津港を経て、浦上街道を通って運ばれました!
その当時の長崎は経済力が強かったので、一番美味しい良い部位が分配されていたので
その文化が今も根強く残っているのです。
「長崎に行けば、美味しいくじらが食べられる」
と言われるのは、こういう理由があるからです。
長崎県の鯨の1人あたりの消費量は全国で1位の年間197.5グラム。
(全国平均は44.7グラム、平成20年/共同船舶)と全国で最も多く、食文化が受け継がれています。